肩こりの原因って何?
年齢や性別を問わず、ツライ肩こりに悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
肩こりは日本人の国民病とも言われています。
日本人は欧米人と比べて、頭の重さに対して首や肩まわりの筋肉が小さく負担がかかりやすいという特徴があるのです。
さらには無意識にしている日常の癖が、首や肩のこりを悪化させているかもしれません。
まずは自身の痛みの原因が何なのかを探っていきましょう。
①筋肉の強張り
頭の重さは平均して4〜5kgほどあります。
デスクワークなど同じ姿勢で長時間座り続けると頭を支えている首や肩まわりの筋肉は徐々に固くなり、柔軟性が失われていきます。
前かがみで猫背になったり、PC仕事で両腕を前に出していることから肩が内側に入る巻き肩になったりと、悪い姿勢であればなおさら筋肉は強張りやすくなります。
30分に一度は立ち上がるなど、こまめに体を動かす対策が必要です。
②目の疲れ
仕事ではPCとにらめっこ、家に帰ったらすぐにテレビをつけ、移動中や夜の就寝間際までスマホを近距離で見ていたりと、現代人は目を常に酷使しています。
目の奥や後頭部、首の付け根に痛みを感じていたら、それは目の使い過ぎが原因かもしれません。
眼精疲労はひどくなると肩こりや頭痛、嘔吐を引き起こすことがあります。
時々遠くを眺めるようにしたり、ブルーライトカットのメガネを使うことや、寝室ではスマホを触らないようにすることも目の疲れを予防することにつながります。
③運動不足
リモートワークを機に、肩こりに悩み始めた方もいるのではないでしょうか。
首や肩だけでなく、姿勢を維持する腹筋・背筋などの筋肉が運動不足により弱くなると、重たい頭を支えることが難しくなります。
また、在宅勤務に切り替わったことで通勤などの歩く量が減ることも、肩こりの原因となるのです。
ふくらはぎを代表とする下半身の筋肉は、血液を心臓に戻す「筋ポンプ」という働きを担っています。
運動不足により血行が悪くなると、全身の筋肉はより固まりやすくなり、長時間使っている首や肩に痛みとなって現れてきます。
肩まわりだけでなく、全身を使った運動が肩こり改善には重要なのです。
④ストレス
運動不足に加えて、血流を悪くする原因となるのがストレスです。
私たちの体の働きは、自律神経がコントロールしています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、仕事や激しい運動など活動的になるときには交感神経が、リラックスして眠くなるときには副交感神経が優位になっています。
ストレスが溜まると自律神経の働きが乱れて、心身の調子を整えることが難しくなり、肩こりや疲れが取れず常に体がだるくなるなどの症状が現れます。
肩こりの改善にはヨガが効果的!
肩こりがツライとマッサージを受けに行く人も多いですよね。
しかし肩こりの根本的な原因が解消されなければ、またツライ痛みが必ずやってくるので、マッサージを定期的に受け続けなくてはなりません。
ヨガならば、筋肉の緊張をほぐし血行を促す適度な運動をいつでもどこでも自分で行うことができます。
隙間時間のヨガで肩まわりをストレッチ
仕事の移動時間や休憩時間、一息つくタイミングにこまめに体を動かすことで、筋肉が強張るのを防ぎます。
デスクワークが中心の方は、運動する時間を確保することが難しいかもしれません。
重たい負荷をかけて汗をかくような筋トレと違い、ヨガなら仕事中も気軽に取り入れることができます。
またヨガではインナーマッスルという体の奥に位置する内臓に近い筋肉を使うため、姿勢がよくなり肩こりの改善だけでなく予防にもつながるのです。
副交感神経が優位になるリラックス効果
ヨガは単なるストレッチではなく、深い呼吸に合わせて体を動かす、副交感神経にも働きかけることのできる運動です。
ストレスの元を避けることが難しい場合には、溜め込まないよう心がけることが大切です。
イライラしたり重圧を感じたりするタイミングでヨガを行う習慣をつけるといいでしょう。
肩こりから解消される!ヨガのポーズ3選
ここからは実際に、肩こりに効果のあるヨガポーズを動画付きで3つご紹介します。
朝忙しくても5分でできる簡単なポーズなので、誰でも気軽に取り組めます。
午前中に上半身の血流をよくすることで、午後のだるさの予防にもつながります。
呼吸が止まるほど無理はせず、気持ちいいところを確かめながらこまめにやってみてくださいね。
椅子に座ったままできる「わしのポーズ」
デスクワークの合間にオススメなのが、座ったままできる「わしのポーズ」です。
肩甲骨を下げて肩を落とし、首がつまらないようにするのがポイント。
お腹を薄く保ってポーズをとると、姿勢を維持する体幹にも効いて一石二鳥ですよ。
- 両腕を正面に伸ばし腕をクロスして、肘を曲げる
- 手の甲か、余裕があれば手を絡めて手のひら同士を合わせる
- 肩が上がらないように注意しながら、肘を鼻の高さほどまで上げていく
- 数呼吸キープして、息を吐きながらゆっくりとポーズをほどく
- 手を入れ替えてもう一度行う
タオルを引っ張って肩甲骨をゆるめる「牛の顔のポーズ」
背中や脇、脇腹まで血流がよくなるのを感じられる、即効性がある「牛の顔のポーズ」。
長めのタオルの端を両手で持ち、互いに引っ張り合うようにすることで徐々に筋肉がほぐれてきます。
運動不足の解消に歩いている場合には、ウォーキングしながらこのポーズを取るのもオススメです。
体が温まっていると筋肉は柔軟に動きやすく、またウォーキングで使うのは主に足なので、上半身の動きを取り入れることで効率よく運動量を増やせますよ。
- 片方の手にタオルを持ち、その腕を天井に向けて万歳する
- 肘を曲げ、手を頭の後ろにもってくる
- 反対の腕を背中から回し、タオルをつかむ
- 上の肘は天井に、顔は正面に向けてタオルを引っ張り合う
- 数呼吸キープして、息を吐きながらゆっくりとポーズをほどく
- 手を入れ替えてもう一度行う
肩こりと巻き肩にも効く「針の糸通しのポーズ」
お風呂上がりなど、ゆったり過ごす時間に取り入れてほしいのが「針の糸通しのポーズ」。
頭が心臓よりも下に来るポーズをヨガでは「逆転」と呼びますが、起き上がったときに頭や心がスッキリとするのが特徴です。
肩に体重を乗せて深呼吸を繰り返し、眠る前にボーッとしてご自身を休める時間をもってみてください。
- よつんばいになり、右手の手のひらを上に向ける
- 左腕の下から右手をすべらせ、右の肩とこめかみをマットに下ろす
- こめかみと肩に体重を乗せたまま数呼吸キープする
- 余裕があれば左手を天井に持ち上げ、視線を左手の指先に
- 息を吐きながらゆっくりとポーズをほどく
- 手を入れ替えて反対側も行う
ヨガで肩こり知らずの体になろう
ヨガのポーズをこまめに行ううちに肩まわりが温かく、軽くなっていくのに気づくことができます。
自分でヨガをするメリットは、自分の症状に合わせて気持ちのいいポーズを選んで行えるところです。
ポーズを無理して取ろうとせず、深い呼吸に意識を向けてリラックスした気持ちで動いていきましょう。
ツライ肩こりでお悩みの方は、ぜひヨガを日常に取り入れてみてください。