妊婦こそスクワットがオススメの理由
妊娠中は適度な運動が推奨されていますが、妊婦にはスクワットがオススメです。
スクワットは上半身を上げ下げするだけの単純な筋トレに見えますが、実は、お尻・腰回り・太もも・体幹を中心に筋肉を使う運動です。
スクワットを行うことで妊娠中だけではなく、出産・産後を乗り越える体作りができます。
妊娠中にスクワットをするメリット
妊娠中にスクワットするメリットは大きく分けて4つです。
- 妊娠中の腰痛・姿勢改善
- 尿もれを防ぐ
- 出産のための体力強化
- 産後の回復を補助
メリットを詳しくご紹介していきます。
妊娠中の腰痛・姿勢改善
お腹が大きくなってくるとバランスをとろうとするあまり、写真のように骨盤が前傾してしまいがちで腰痛を起こしてしまいます。
スクワットは腰回りの筋肉・体幹も使うので、腰回りの筋肉強化になります。
腰回りの筋肉・体幹がしっかり作られていると、骨盤を前傾しなくても姿勢を正してお腹を支えられます。
姿勢がよくなることで腰痛の改善にもつながります。
- 顔は顎の下に拳が1つ入るくらい開ける
- 胸を張って肩のトップが耳の真下にくるようにする
- 骨盤をまっすぐ立てる(膣にグッと1番力が入るところがまっすぐ立っているサイン)
- 足裏の親指・小指の付け根と踵(かかと)3点に重心がかかるようにする
- 大きくなったお腹は腹筋で支えているというより、下から包むように支えている感覚
尿もれを防ぐ
妊婦になってよくあるのがくしゃみや咳をした時に、「あっ!」と軽く尿もれをしてしまうこと。
尿もれは膣周り・骨盤底の筋肉が弱くなってしまうことから起こり、そのままにしておくと産後も続いてしまいます。
スクワットは『腰を下ろして上げる』という単純な動作のように思えますが、膣周り・骨盤底の筋肉を使います。
膣周り・骨盤底の筋肉を強化することによって、普段から力が入りやすくなり尿もれを防ぐことができます。
出産のための体力強化
マラソンを走る時になんのトレーニングや体づくりをしていなかったら、途中でバテてしまって走りきれないですよね?
出産も人それぞれですが、陣痛が始まってポンッ!と胎児が出てくるわけではなく、妊婦によっては24時間近く陣痛の痛みに耐え、ヘトヘトになっている時に力んで胎児を子宮から押し出します。
出産はまさに女性にとってのマラソンでゴール手前で1番体力を要します。
スクワットのような比較的簡単にできる筋トレは継続しやすいため、出産のための体力強化、持久力アップにもつながります。
陣痛が始まって出産するまでどれだけの時間がかかるかわからないからこそ、スクワットで全身を鍛えて出産のための体力づくりをしてくことが必要なのです。
産後の回復を補助
産後は体の回復のためにも体力が必要です。
妊娠中にスクワットを行ない全身を鍛えておくことで、体力が強化され、体の回復も早くなります。
出産したらそれで終わりではなく新生児の世話がもちろん待ち構えていて、最初のうちは夜中の授乳・オムツ替えなどの子育てにも体力が必要になります。
新生児の子育てを乗り切るためにも、産後はなるべく早く体を回復させていきたいですよね。
産後に体型を戻したい!という方はこちらの記事を参照ください。

妊婦にオススメ&安全なスクワット4選
スクワットにもさまざまな種類があります。
ここではウェイトなどは一切使わずに自分の体重を使った自重筋トレの方法で、妊婦にオススメ&安全なスクワット方法をご紹介します。
⒈ベーシックスクワット
- 足を肩幅より広く開き腕は腰に当てるか胸の前で手を組む
- 胸を張って息を吸いながらゆっくり限界のところまで腰を下ろす
- 息を吐きながらゆっくりスタートポジションに戻す
その他のスクワット方法でも重要になる、基本のスクワットのポイントをしっかり掴んでおきましょう!
- 呼吸は腰を下ろす時に吸って上げる時に吐く
- 胸は張ってお尻を後ろに少し突き出すようにする
- 膝が足指より前にいかないようにする
- 踵に重心がのるようにする
- 腰を上げた時にギュっとお尻の穴・膣に力を入れる
無理にしゃがむようなことはしなくて大丈夫です。
「これ以上下ろすと倒れちゃいそう」と思ってしまうとこで止めましょう。
妊娠初期から中期までオススメですが、お腹が大きくなってきた場合は足幅を広めに広げて、腰を下ろした時にお腹が入るスペースを作りましょう。
⒉相撲スクワット
- 足はなるべく広く開いて足先は外側に向け手は腰か胸の前で合掌
- 息を吸いながらゆっくり腰を下ろして限界のところで5〜10秒キープ
- 息を吐きながらゆっくり腰を上げてスタートポジションに戻す
相撲スクワットは内腿のエクササイズにもなるので、筆者も大好きで妊娠中ほぼ毎日相撲スクワットだけは気がついたら行なっていました。
相撲スクワットをする際は股はできる限り広げて、膝が内側に入ってこないように外側に押し広げることを意識しましょう。
妊娠初期から後期までオススメですが、後期にバランスがとりにくく感じたら補助のためにサイドに椅子を置いて、椅子の背もたれに手を添えましょう。
相撲スクワットをより詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです!

⒊バランスボールを使ったウォールスクワット
- バランスボールを用意し壁と自分の背中ではさむ
- 足を肩幅より広く開き腕は腰に当てる
- バランスボールを落とさないように胸を張って息を吸いながらゆっくり限界のところまで腰を下ろす
- 息を吐きながらゆっくりスタートポジションに戻す
背中はまっすぐにしたままで腰を下ろしていきます。
バランスボールを壁と背中ではさんで落とさないように動作することで、より体幹を使ってスクワットができます。
妊娠中期から後期までの妊婦にオススメです。
⒋シッティングスクワット
- 椅子を用意して椅子が滑って動かないように滑り止めまたは壁に背もたれをつける
- 足を肩幅より広く開き腕は腰に当てるか胸の前で手を組む
- 胸を張って息を吸いながらゆっくり椅子に座る
- 息を吐きながらゆっくりスタートポジションに戻す
シッティングスクワットをする際は、「よっこいしょ」と上半身に反動をつけることはせず、常に基本のスクワット方法を意識して行いましょう。
椅子に腰を下ろした際は背もたれまで深く座り込むのではなく、半分か1/3くらい浅く座ります。
妊娠後期にオススメです。
ちょっと物足りないと思えば両手にダンベルなどを持って行なってもOKです。
妊婦がスクワットする際の注意点
かかりつけの産科医・助産師からスクワットをしても大丈夫と了解を得たとしても、スクワット中に体の異変を感じたら即エクササイズを中止し、休むもしくは状況によってはすぐ病院に連絡しましょう。
- お腹は張ったように感じる
- お腹が痛くなった
- 出血・破水が起きた
妊婦さんの体調は日によって違うので、あえて”○回スクワットをしましょう”とは紹介しません。
「今日は10回しよう!」「今日は調子がいいから10回1セットで3〜5セット挑戦してみよう!」などと、自分の体調をしっかり見極めながら行いましょう。
またエクササイズや筋トレを妊娠前はあまりしてこなかったという方は、体調がよかったとしても最初のうちは回数は少なめにして徐々に増やすなどしましょう。
安全なスクワットで妊婦ライフとお産を快適に!
スクワットは体が一つあればリビングでもキッチンでもどこでもできる全身を鍛えられる魔法のエクササイズです。
大事な骨盤・お腹周りを中心に全身を鍛えられるため、スクワットは妊婦にオススメの筋トレといえるでしょう。
体調と妊娠時期に合わせた安全なスクワットを行い、妊婦ライフ・出産・産後を快適に過ごす体作りをしていきましょう。