筋トレの超回復とは?
運動は本質的には体にストレスがかかるものであり、体に繰り返しストレスがかかることにより体は与えられた刺激に反応するために適応できるようになっていくのです。
トレーニング後に一時的に体力が低下し、その後適切な休息をとることで回復し、筋肉が強くなっていくのです。この現象を「超回復」といいます。
筋肉は傷つけられて強くなる
負荷をかける筋力トレーニングでは筋繊維に小さな破損が起こっています。この修復には一般的に48~72時間必要ですが、修復された筋繊維は破損前より太くなります。
ここでトレーニングを再開してさらに筋繊維を傷つけ、休息によって回復し、また次のトレーニング・・・を繰り返します。
こうすることで筋肉は肥大し、筋力は向上していきます。筋肉はいったん傷つけられることで強くなるのです。
なぜ休息が必要なのか
筋肉はトレーニング中に成長してるわけではありません。トレーニングとトレーニングの間の休息期間に筋肉は成長しているのです。
休息をとらずにトレーニングを毎日やってしまうと筋肉は強くならないどころか疲労が蓄積し怪我の原因となります。
一方で休息が長すぎると筋力が低下してしまい効果がなくなってしまいます。
筋トレの頻度は?週に何回やればいいのか
筋肉を発達させるには週2~3回の頻度が効果的です。超回復が起こるタイミングで筋トレを繰り返すと週2~3回のペースになります。
ただし、回復時間には個人差がありますので必ず48~72時間で回復するとは限りません。
わかりやすい目安としては筋肉痛が治まってきたあたりで次のトレーニングを行う、と判断していきましょう。
超回復の効果を高めるために何をすればいいのか
休息ってどうしたら回復力を高められるの?具体的に何をすればいいのかを5つ解説します。
①筋肉の材料であるタンパク質をしっかり摂る
筋トレの後は1時間以内にタンパク質を摂取しましょう。
プロテインは手軽にタンパク質が摂取できますが、味が苦手な人は無理に摂る必要はありません。ゆで卵やゆでたささみ肉など簡単につまめるもので大丈夫です。
②音楽にパワーをもらう
好きな音楽を聴きながらトレーニングを行うと、筋トレの「キツイ」を紛らわせてくれたり、ランニングの「苦しさ」を感じずにペースを一定に保てたり、音楽はトレーニングの強い味方です。
さらにトレーニング後はスローテンポのリラックス系の音楽に切り替えることによって回復力を高める効果があります。
③適度な水分補給をしよう
運動中はもちろんこまめに摂取すること。喉が乾いてからではすでに脱水状態なっています。運動前から摂るようにしましょう。
運動後は着替えて運動したことを忘れてしまい、水分補給はおろそかになりがちですが、普段より汗をかいた後なのでしっかり補給して体の回復に努めましょう。
④ゆっくりとお風呂に入ろう
トレーニング後はシャワーだけでも大丈夫ですが、夜はゆっくりとお風呂に入りましょう。血行を促進し、柔軟性を取り戻す効果があります。
⑤しっかり睡眠をとる
トレーニングした日は早めに睡眠をとることを心がけゆっくりと休みましょう。
質の高い睡眠をとることによって体の回復を早めることができます。
筋トレの超回復を利用したプログラム3例を紹介
超回復について理解したら、早速自分のトレーニングに取り入れてプログラムを作ってみましょう。
参考例として
②タイプB:平日のみ(1日に1~2つできる人)
③タイプC:平日+休日(1日に1~2つできる人)
の3プログラムを紹介します。
※ヨガ・ピラティスが入っていますがやっていない人はストレッチや体操など運動強度が低いメニューを入れてください。
※筋トレ(ジム)が入っていますがジムを利用しない人は自重トレーニングやダンベル筋トレを入れてください。
①タイプA:平日のみ(1日に1つできる人)
1日1つは何かやってるけどそれ以上は無理!土日は仕事もトレーニングも休みたい!という方は筋トレと有酸素運動をバランスよく組み合わせていきましょう。
曜日 | 朝~午前 | 午後~夜 |
---|---|---|
月 | 筋トレ | 休み |
火 | ランニングorウォーキング | 休み |
水 | 休み | ヨガ、ピラティスなど |
木 | 筋トレ | 休み |
金 | 休み | ランニングorウォーキング |
土、日 | 休み | 休み |
1日に1つで精一杯…だった方も慣れてきたら昼休みにウォーキングやストレッチを入れてみましょう!
②タイプB:平日のみ(1日に1~2つできる人)
午後から夜は軽めの運動だったらできそうな人は一日おきにストレッチなどを入れてみましょう。
曜日 | 朝~午前 | 午後~夜 |
---|---|---|
月 | 筋トレ(ジム) | 休み |
火 | ランニング | ヨガ、ピラティスなど |
水 | ウォーキング | 休み |
木 | 筋トレ(自重) | 休み |
金 | ランニング | 休み |
土、日 | 休み | 休み |
ストレッチやウォーキングは毎日やっても大丈夫です。「動きたい」と思ったら増やしていきましょう。
③タイプC:平日+休日(1日に1~2つできる人)
すでに運動習慣がついていて毎日なにかやりたい人は同じメニューが連続しないようにすれば大丈夫です。
木曜日のプログラムのように筋トレを2分割(朝:上半身、下半身)、夜(体幹)すれば一度にかかる時間を短縮できます。
曜日 | 朝~午前 | 午後~夜 |
---|---|---|
月 | 筋トレ(ジム) | ストレッチ |
火 | ランニング | ストレッチ |
水 | ヨガ、ピラティスなど | 休み |
木 | 筋トレ(自重)スクワット、腕立て伏せ | 筋トレ(自重)腹筋、背筋 |
金 | ランニング | ストレッチ |
土 | ウォーキング | 休み |
日 | 筋トレ(ジム) | ヨガ、ピラティスなど |
タイプCは休みがないの?もちろん、体調を最優先にして動きたくないときは1日休んでください。
ただし、水曜と土曜は負荷がかかるトレーニングは入っていません。休みだからとい1日中ゴロゴロしていると余計に疲れてしまいます。
軽い運動をして体をほぐし、夜の睡眠の質を高めた方が回復効果が上がります。
紹介したプログラム例では負荷がかかる筋トレやランニングは中2日空けてあります。
2日連続で同じトレーニングをしないようにすることと、2日以上「何もやってない」日を作らないことがポイントです。
また、最初から朝か夜何かやるスケジュールに慣れておけば朝できなかった日でも夜できるので時間が空きすぎてしまうことはありません。
筋トレの超回復で自分の体と対話してプログラムを見直していこう
一度プログラムを作ると「その通りにきっちりこなさくては」と思って無理をしてしまう人もいます。
頭で「やりたい」と思うことと、今日の体の状態が一致していないときもあるので「やりたいけど、この足の痛みは運動していいレベルかな?」「ランニングの予定だったけど今日は体が重いからウォーキングにしておこう」と自分の体の状態に応じて臨機応変にプログラムを変えていく必要があります。
筋肉痛がどのくらいで治まったか、このトレーニングの後は回復に時間がかかった、などを記録しておくと判断がしやすくなります。
あなたの体の回復状態が分かるのはあなただけです。自分の回復力を知ってプログラムを更新していきましょう!