ピラティスとは?
ピラティスは、体幹*とインナーマッスル*を使うトレーニングです。
怪我をして整形外科へ行き、仕事やスポーツに復帰するためにリハビリを受ける場合の筋力テストや、理学療法士から指導される筋力トレーニングにピラティスの技法が使用されています。
故障時に筋力を維持する、回復を促す、弱い部分を時間をかけて鍛えるなど年齢、性別に関らず自分の目的にあわせて無理なく取り組めるトレーニングです。
*体幹:人間の体の胴体の部分 *インナーマッスル:深層筋、体の奥部の筋肉
ピラティスの流派
ピラティスには流派があり、それぞれ目的やアプローチの仕方に違いがあります。どこがいい・悪いではなく「どこに重点を置くか」の違いであり、「ピラティス」というエクササイズとしての本質に違いはありません。主な流派を見ていきましょう。
日本にある主な流派4つと特徴
流派 | 本部 | 特徴 |
---|---|---|
BASI ピラティス |
アメリカ カリフォルニア |
世界最大規模の団体です。最新科学、芸術性を重視し、スタイルの機能的な美しさが評価されています。 |
PEAK ピラティス |
アメリカ フロリダ |
業界の中でも中心的な団体です。今求められているものを取り入れて内容が更新されていく進歩的なプログラムを提供しています。 |
STOTT ピラティス |
カナダ トロント |
基本原則が詳細に分かれており教育内容が最高レベルであると国際的に評価されています。豊富なエクササイズパターンにより飽きさせず継続率の高さを強みとしています。 |
PHI ピラティス |
アメリカ ペンシルベニア |
姿勢矯正には学術的証明をもっており、病院でのリハビリテーションなど運動療法に重点を置いています。 |
ほかにもたくさんの流派がありますが地域によってはスタジオの数が限られており、長く続けるには通いやすさや移動時間も重要です。まずは近くにある流派のスタジオで体験してみるのがよいでしょう。
運動初心者にピラティスをおすすめする5つの理由
何事も新しいことを始めるときには不安もありますよね。学生時代以来まともに運動していないし、始めても続ける自信がない…そんな人でもピラティスなら続けられる要素があります。運動初心者にもピラティスをおすすめする5つの理由を確認しましょう。
誰でもできる
ピラティスに年齢制限はありません。小学生からおじいちゃんおばあちゃんまで年齢や体力にあわせてメニューを作ることができます。
いつでもできる
朝ピラティスで1日美姿勢、休み時間に立ったままできるメニューを1つ、お風呂あがりのほぐれた体で腹筋強化、就寝前に肩甲骨周りをほぐして安眠…。ピラティスには決まった回数や時間などはありません。思い立ったら自分の好きなようにできます。
どこでもできる
マットを所有していなくても自宅のフローリングに防音マットが敷いてあれば大丈夫。和室なら畳の上にバスタオルを敷けばできます。旅行先でも同様にバスタオルがあればできるので温泉の後にじっくりとフルコースでピラティスをやるのもいいですね。
不調のときでもできる
足を怪我しているときは体幹や上半身のメニュ―を重点的に。生理中で腹筋を使いたくないときは股関節周りのメニューを選ぶなど体調にあわせて何をやるかを自分で決めることができます。
長く続けられる
年齢制限もなく不調時でも取り組めるピラティスは習慣化すれば長く続けることができます。スタジオに行けずにブランクがあっても極端にメニューが変わったりはしないため自宅で継続していれば復帰して追いつくことができます。
ピラティスの具体的な効果は?
ピラティスを行うことで、以下の効果が得られます。
- 姿勢が良くなる
- 肩こり・腰痛の軽減
- 電車でつり革を持たずにフラつかずに立ち続けることができる
- 胸鎖乳突筋*が鍛えられることにより顔や首の引き上げ効果がある
- 日常動作が美しくなる
*胸鎖乳突筋:耳の下から鎖骨までの首の筋肉
ピラティスがおすすめの理由や効果を確認したうえで、スタジオでのレッスンや自宅で簡単にできるピラティスのやり方を確認しましょう。
スタジオでのレッスンの様子
いきなりスタジオに行くのはちょっと不安という人もいるでしょう。まずは、一般的なレッスンの一例を確認して雰囲気を掴みましょう。
スタジオでのグループレッスンの一例
スタジオでのグループレッスン(定員10~20名)は1コマ60分が一般的。まずは、立位でのストレッチから始め、腹筋、背筋、股関節周りと進めていきます。インストラクターが前に出て見本を示してからグループの一人ひとりを巡回。自分では気づきにくい姿勢の癖や傾きを指摘してくれます。
ほかの人と同じようにできなくても大丈夫。手首が弱ければひじを使う、足首が弱ければひざをついてOKなど柔軟に姿勢を変えて同様のトレーニングができるように指導してくれます。疲れたら途中で休んでも大丈夫です。
スタジオでのグループレッスンはピラティス初心者も多いので気軽に参加しましょう。
自宅で簡単にできるピラティスのメニューを紹介
いつでもどこでもできるピラティス。自分でできるメニューを3つご紹介します。どんなエクササイズなのか実際にやってみましょう。呼吸は止めずに続けて体がぐらつかないように意識しましょう。
プランク
体幹全部を使って体勢を維持することによって姿勢がよくなります。
- うつ伏せになり腕立て伏せの体勢になる
- ひじと足の指先だけ床についた状態で体を一気に押し上げる
- 背中が1枚の板になったイメージで30秒維持する
ロールアップ
インナーマッスルを使う腹筋トレーニングです。楽に起き上がれるようになります。
- 仰向けに寝る
- 両手を天井に向けて上げ、上体を起こす
- 背中が”Ⅽ”の状態になる位置まで両手を前に伸ばす
- 仰向けに寝て上記を繰り返す(5回くらい)
ローリングライクアボール
腹筋を使いながら背中の緊張をほぐします。バランス感覚を鍛える効果があります。
- 膝裏を抱え込んで座る
- 胸から膝の距離を維持したまま後ろにゆっくり転がる
- 同様にゆっくり起き上がる
- 上記を繰り返す(5回くらい)
ピラティスのやり方を身につけて姿美人になろう!
ピラティスのコンセプトは「指先まで美しく・しなやかな体作り」です。効果は全身の立ち姿や後ろ姿に現れます。初対面の人に「何か運動されてるんですか?」と言われるようになります。興味のある人は自分で取り組んでみたり、スタジオ見学から始めてみましょう!